トランシーバー

特定小電力トランシーバーとは?適したシーンと使用時の注意点

特定小電力トランシーバーは、無線機(トランシーバー、インカムともいう)のひとつであり、トランシーバーの中でも出力の小さい無線機です。通信距離に限界がある、遮蔽物に弱いといったデメリットがある一方で、免許や登録が不要、安価にレンタル・購入できる、電池のもちがよい、取り回しやすいなどのメリットがあります。

現在ビジネスやイベント等で使われている無線機は、大きく分けて「特定小電力トランシーバー」「簡易業務用無線機」「IP無線機」の3種類ですが、それぞれ、「短距離タイプ」「長距離タイプ」「広域タイプ」などとも呼ばれており、使用できる距離や環境、免許・登録申請の要不要、レンタルや購入時の価格等に大きな違いがあります。

特定小電力トランシーバーとは

特定小電力トランシーバーは、略して「特小」とも呼称される送信出力0.01W(ワット)以下の無線機です。出力が小さく、他の電波に干渉するおそれが少ないため、免許や登録は不要となっています。電波利用について定めた総務省のホームページでは、免許や登録を要しない「特定小電力無線局」の要件について、以下のように記載されています。

(1)空中線電力(送信出力)が1W以下であること。
(2)総務省令で定める電波の型式、周波数を使用すること。
(3)呼出符号または呼出信号を自動的に送信しまたは受信する機能や混信防止機能を持ち、他の無線局の運用に妨害を与えないものであること。
(4)技術基準適合証明を受けた無線設備だけを使用するものであること。

引用元:総務省電波利用ホームページ「免許及び登録を要しない無線局」(https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/proc/free/

 

特定小電力トランシーバーの通信距離の目安は、見通しの良い場所で200mまで、ビルなどの多い市街地で100m程度です。壁や建物といった遮蔽物があると通信ができなくなる可能性があるため、イベント等で使用する際は、事前に無料デモ機などを利用して通信できるか確認しておくのがおすすめです。なお通信エリアは各無線機の通信が届く範囲内に中継器を設置することで拡大することができます。特定省電力トランシーバー通信距離
出典:特定小電力トランシーバーFTH-107商品カタログ

他のトランシーバーとの違い

特定小電力トランシーバーと他のトランシーバーを比較すると、以下のようになります。

※レンタル価格の算出方法……特定小電力トランシーバーを扱う5社のおおよその平均

特定小電力トランシーバー 簡易業務用無線機 IP無線
通信距離 ~200m ~5km 携帯電話の通信圏内
遮蔽物の影響 あり あり なし
送信出力 0.01W(10mW)以下 1~5W 0.25W以下
免許・登録 不要 必要 不要
レンタル価格(最短期間) 1,500円程度 2,500円程度 4,500円程度

簡易業務用無線機

簡易業務用無線機は、「長距離タイプ」とも呼ばれ、レンタル利用できる無線機3種類の中では最もパワーが大きく、使用にあたり無線局への免許もしくは登録の申請が必要です。レンタルする場合はレンタル業者が登録手続きを事前に済ませているため、購入する場合よりも手軽に利用できます。
簡易業務用無線機は、複数フロア(2~15フロア程度)やアリーナ等での大規模イベント、広範囲でのレジャー等に適しています。

IP無線機

IP無線機とは、ドコモ、au、ソフトバンクといった各キャリアのデータ通信網を利用した無線機です。その通信可能エリアの広さから「広域タイプ」とも呼ばれています。使用にあたり免許や登録は不要です。
IP無線機は、遮蔽物のあるエリア同士での通信にも強いことから近年人気が高まっています。ただし地下や山間部といった携帯電話が繋がらない場所では、IP無線機も使えません。また同じエリア内での回線の混雑による通信制限にも注意が必要です。
レンタルする場合、携帯電話と同様に毎月2,000円ほどの料金がかかるので導入コストは比較的高めといえます。
具体的な使用シーンとしては、地域のマラソン大会や運輸業、警備業やタクシーの配車等に適しています。

特定小電力トランシーバーの主な用途

前述の特徴から、特定小電力トランシーバーは見通しの良い環境で通信相手が見えるくらいの距離に適しているといえます。

ビジネスでの利用

特定小電力トランシーバーをビジネスで利用する場合の使用シーンには以下のようなものがあります。

・道路工事等、比較的見通しの良い場所での警備業
・クレーン作業等における親機と子機によるハンズフリーな通信
・1フロア内の小規模イベント、展示会の案内
・広場やグラウンド内でのお祭り、イベント
・飲食店、アパレルショップ等での店員同士の連絡

アウトドア・レジャーでの利用

特定小電力トランシーバーはプライベートで使う場合も免許や登録が不要です。具体的な用途は以下のとおりです。

・キャンプ場での同伴者との通信
・登山やハイキング、ツーリング等における最後尾とのペース調整
・釣りにおける釣り場ポイント間の通信
・サバゲー(サバイバルゲーム)における仲間内での通信

特定小電力トランシーバーを使うメリット

特定小電力トランシーバーは免許・登録不要、安価という特徴に加え、出力が小さいことにより必要となる電力も少ないというメリットがあります。
具体的には、単3乾電池1本で30時間程度の使用が可能です。まる1日のイベントで使う場合も電池切れや充電が必要になる不安がないのが良いところです。
簡易業務用無線機やIP無線機の場合だと、送信出力があるぶん1回の充電で使用可能になる時間が10~20時間程度と比較的短めです。したがって、長時間使いたいとき、電池切れの心配をなくしたいときは特定小電力トランシーバーがおすすめです。
ほかに特定小電力トランシーバーには簡易業務用無線機やIP無線機などと比べ、本体が軽く携帯しやすいという特徴があります。手で持って通信するハンディ型の場合150g程度、据え置き型でも200g程度です。取り回しやすく、レジャーなどで携行するのにも適しています。

特定小電力トランシーバーを使うデメリット

特定小電力トランシーバーの通信可能な距離は他のトランシーバーに比べ短いです。
また、壁や天井、山などの遮蔽物を挟むと通信ができない場合があります。そのため複数フロアをまたぐ通信や、屋内と屋外を繋ぐ通信、お互いの姿が目視できないくらいの距離の通信には適さない可能性が高いです。
使いたいシーンに特定小電力トランシーバーが合うかどうか不安な場合は、あらかじめ無料デモ機などを利用して実際と同じ環境でテスト使用してみるとよいでしょう。

特定小電力トランシーバーを使用する上での注意点

他人の通信との混信

特定小電力トランシーバーは、周波数=チャンネル(※)を合わせることで互いに通信が能になるため、他人の通信と偶然チャンネルが合った場合に混信してしまうおそれがあります。
特定小電力トランシーバーは導入ハードルが低く、後述する技適マーク(技術基準適合証明)がついている機器であれば、誰でも合法的に通信を行うことができます。このようなメリットと表裏一体であるのが混信の危険性です。
特定小電力トランシーバーは異なるメーカーの機器同士でも、たとえば周波数422.0500mHz(メガヘルツ)であればチャンネル01というように、周波数とチャンネル表記は共通していることがほとんどです。
そのため他人に通信を傍受されないよう、仲間以外にチャンネル番号を漏らさないようにしましょう。また混信に気がついたら、なるべく離れたチャンネル(周波数)に設定し直すようにしましょう。

※チャンネルとは周波数ごとに設定されたラベルのようなものです。実用面におけるチャンネルと周波数は同じ意味です。

国内法(電波法)に抵触する改造行為や機器に注意

特定小電力トランシーバーを使う場合、以下のような行為は電波法違反となる恐れがあります。

・技適マーク(技術基準適合証明)のない機器を使用すること
・技適マークのある機器を改造すること
・改造された機器を使用すること

電波法とは、通信の妨害や混信を防ぐために各国ごとに定められた電波に関する法令です。免許や登録不要で誰でも買ったその日から通信を行うことができる特定小電力トランシーバーですが、他の無線機と同様に電波法でその技術基準が定められており、これに適合しない機器を使うことは違法行為となるため注意が必要です。
海外製の機器については技適マークのついたものによる通信は合法です。しかし、FRSやGMRSといった米国基準の機器は、国内法に合わず違法となりますので気をつけましょう。また技適マークのついた機器でも改造すると技適マークの効力がなくなり違法機器となりますので注意しましょう。

違法なものかどうか確認するポイント

日本国内で使える無線機には、技適マーク(旧認証マーク)と呼ばれるマークがついています。

技適マーク(旧認証マーク)

出典:https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/summary/qa/giteki_mark/

 

技適マークは、国内の電波法に適合する技術基準適合証明を受けたことを意味しています。
特定小電力トランシーバーを購入する際は、この技適マークがついているかどうかを確認するようにしましょう。またレンタルする場合も、技適マークについて記載のある業者を選ぶようにしましょう。

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