アナログ無線廃止についての内容と対処方法【2026年最新版】
※本記事は2026年6月時点の情報をもとに更新しています。対象となるアナログ簡易無線機は、2024年(令和6年)11月30日をもって使用期限を迎えており、2024年12月1日以降は原則として使用できません。
アナログ簡易無線機のデジタル化については、当初2022年11月30日までに対応が必要とされていましたが、新型コロナウイルス感染症による社会経済への影響を踏まえ、激変緩和措置として2024年(令和6年)11月30日まで延長されました。
現在は、延長後の期限である2024年11月30日もすでに経過しています。そのため、対象となるアナログ簡易無線機をそのまま使用することはできません。
本コラムでは、アナログ無線機の廃止の概要、必要な手続き、デジタル無線機への入れ替え方法、今後の対処方法について解説します。
アナログ無線機を廃止する目的(概要)
アナログ方式とデジタル方式の無線機では、同じ音声を送る場合でも、デジタル方式の方が周波数を効率的に利用しやすいという特徴があります。
近年は、通信・防災・物流・施設管理・イベント運営など、さまざまな分野で電波の利用ニーズが高まっています。その中で、限りある周波数をより効率よく活用するため、簡易無線局についてもアナログ方式からデジタル方式への移行が進められてきました。
簡単に言えば、「限られた道路を、より多くの車が安全に走れるように整理する」ようなイメージです。電波の世界も混雑すると困りますので、時代に合わせた整理が必要になったということです。
アナログ無線機とは何か
無線機では、音声情報を電波に乗せて相手方と通信を行います。
アナログ無線機は、音声をそのまま電波に乗せて送る方式です。一方、デジタル無線機は、音声情報をデジタル信号に変換して通信します。
今回の使用期限に該当する主なものは、アナログ方式の簡易業務用無線機です。具体的には、350MHz帯の小エリア簡易無線局や、400MHz帯のアナログ簡易無線局が対象となります。
「昔から使っている業務用無線機」「倉庫に保管している予備機」「防災備蓄品として保管している無線機」などは、対象機種に該当する可能性があります。現在使用していない場合でも、いざという時に使えないケースがありますので、事前の確認をおすすめします。
2024年12月1日以降の現在、必要な対処
対象となるアナログ簡易無線機は、2024年11月30日で使用期限を迎えています。そのため、2024年12月1日以降も業務で無線機を使用する場合は、以下のいずれかの対応が必要です。
- 対象のアナログ無線機を廃止する
- デジタル簡易無線機へ買い替える
- デジタル方式の無線機へ変更申請を行う
- デュアル方式の無線機は、アナログ波の停波処置と免許情報の変更を行う
現在、デジタル方式とアナログ方式の両方が使用できるデュアル方式の無線機を保有している場合でも、「デジタルでしか使わないから何もしなくてよい」というわけではありません。
アナログ波を発射できないようにする停波処置を行い、あわせて総務省への変更申請等が必要になる場合があります。
アナログ波の停波処置に係る費用(概算)
デジタル方式とアナログ方式の両方が使用できるデュアル方式の無線機については、主に以下の2つの処置が必要です。
▶1.アナログ波の停波処置
1台あたり2,000円〜4,000円を目安にご検討ください。
専用ソフトを使用し、1台ずつアナログ波を発射できない状態にする処置を行います。機種や台数、作業場所、メーカー対応状況によって費用や対応可否が変わる場合があります。
▶2.免許情報の更新(変更申請)
1件あたり5,000円〜15,000円を目安にご検討ください。
台数に関わらず、代理申請手数料として頂いております。お手続きには代行のための委任状が必要ですが、雛形は弊社でご用意しておりますのでご安心ください。
アナログ無線機とデジタル化に対応した無線機
| | スタンダード | アイコム | ケンウッド | モトローラー |
デジタル 対応 | VXD450V
VXD460U
VXD450U
VXD450R
VXD450S
VXD4500V
VX-D5901
VX-D2901 | IC-DV75
IC-DU75
IC-DU65B
IC-DU65C
IC-D70/IC-D70BT
IC-D60
IC-DV5505C | TCP-D751 FT
TCP-D751 CT
TCP-D151C/D251C
TCP-D143/D243/D343
TCP-D201
TPZ-D510
TPZ-D553SCH
TPZ-D553MCH
TPZ-D503 | XiR6660
XiR M8668i
SL2K
XiR P8668i
XiR E8608i
XiR P6620i
XiR P8608 Ex |
デジタル 未対応 | VX-582UCAT
GX5560 | IC-VH45系
IC-VH37系
IC-UH38系
IC-VM4525系 | TCM-124/224系
TCP-123/223系
TCP-133W/233W系
TCP-101/201
TCP-523 | GL2000
GP329Ex |
使用できなくなった主な周波数帯
以下の周波数帯を使用するアナログ簡易無線機は、2024年12月1日以降、原則として使用できません。
- 348.5625MHz〜348.8000MHzまでの12.5kHz間隔の20チャンネル
- 465.0375MHz〜465.1500MHzまでの12.5kHz間隔の10チャンネル
- 468.5500MHz〜468.8500MHzまでの12.5kHz間隔の25チャンネル
周波数についての詳しい説明はこちらをご覧ください
上記以外にも、使用できなくなったアナログ無線機や、確認が必要な無線機があります。お持ちの無線機が対象かどうかわからない場合は、免許状・無線局事項書・工事設計書・本体型番などを確認した上で、弊社までお気軽にお問い合わせください。
アナログ無線機からデジタル無線機への4つの入れ替え方法
現在アナログ無線機を使用している、または倉庫や防災備蓄品としてアナログ無線機を保管している場合、今後の対応としては以下の4通りが想定できます。
- デジタル無線機へ一度に総入れ替えを行う
- 拠点や部署ごとに、段階的にデジタル無線機へ入れ替える
- 必要最低限だけ入れ替え、不足分は都度レンタルをする
- 無線機を利用する際は、すべてレンタルに切り替える
すでにアナログ簡易無線機の使用期限は経過していますので、現在は「いつまでに対応するか」ではなく、「どの方法で安全に運用を継続するか」が重要です。
【シンプル】デジタル無線機へ一度に総入れ替えを行う
最適なデジタル無線機を選定し、時期を決めて一括で入れ替えを行う方法です。
機材の利用状況や免許情報が問題なく管理できている場合は、最もスムーズに移行できます。この方法は、「ほぼ毎日、特定の場所で無線機を使用する工場・施設・店舗・警備現場など」に最適です。
- メリット:短期間で入れ替えが完了し、運用を整理しやすい
- デメリット:他の方法と比べ、一時的なキャッシュアウトが大きくなりやすい
【キャッシュアウト抑制】数回に分けてデジタル無線機に入れ替える
キャッシュアウトを抑えつつ、デジタル無線機への入れ替えを進める方法です。
利用中の無線機の免許情報、使用拠点、使用者グループ、リース契約の満了時期などを整理し、優先順位をつけて順次入れ替えます。
現金購入分とリース購入分が混在している場合や、複数拠点で無線機を使用している場合に特に有効です。
- メリット:計画的な資金管理と入れ替えが可能。免許情報の整理も同時に行いやすい
- デメリット:入れ替え完了までに期間を要し、複数回の打ち合わせや管理が必要になる
【リスク抑制】必要最低限だけ入れ替え、不足分は都度レンタルする
日常的に使用する台数だけをデジタル無線機へ入れ替え、繁忙期・イベント・臨時警備・災害対応などで不足する分はレンタルで補う方法です。
無線機は、現場や時期によって必要台数が大きく変わることがあります。常に最大台数を購入してしまうと、使用しない期間の保管・管理・更新コストが発生します。
そのため、通常運用分は購入または長期レンタル、変動分は短期レンタルという組み合わせが有効です。
- メリット:入れ替え費用と、使用しない機材を抱えるリスクを抑えられる
- デメリット:不足時に追加レンタルを依頼する必要がある
※追加レンタルとの互換性を考える場合は、デジタル簡易無線機の登録局やIP無線機への入れ替えをご検討ください。
【リスクと手間を低減】無線機を利用する際は全てレンタルにする
購入ではなく、長期レンタルや短期スポットレンタルを組み合わせて運用する方法です。
これまで免許管理・機材管理・修理対応・台数調整が大変だった場合は、レンタルへ切り替えることで管理負担を大幅に減らせる可能性があります。
- メリット:必要な時に必要な台数を用意しやすく、管理の手間を削減できる
- デメリット:現金での一括購入と比較すると、短期的には利用費用が高くなる場合がある
※利用期間が長いほど、購入との費用差は小さくなる場合があります。使用頻度・使用期間・台数変動の有無をもとに判断することをおすすめします。
アナログ無線機とデジタル無線機の機能的な違いのまとめ
音質の違い
デジタル無線機は、音声をデジタルデータに変換して通信します。その際、ノイズなどの余計な情報が抑えられるため、アナログ無線機に比べて聞き取りやすい音声になりやすいという特徴があります。
ただし、アナログ無線機の利用歴が長い方は、音の聞こえ方に多少の違和感を覚えることがあります。
混信や秘話性への対応
デジタル無線機には、ユーザーコードや秘話設定など、第三者に内容を聞かれにくくするための機能があります。
業務連絡では、顧客名・人員配置・警備情報・施設情報など、外部に聞かれたくない内容を扱うこともあります。そのため、アナログ無線機からデジタル無線機へ移行することは、単なる法令対応だけでなく、情報管理の面でもメリットがあります。
通信距離
通信距離は、出力・周波数・アンテナ・地形・建物・屋内外の環境によって大きく変わります。
一般的には、5Wクラスのデジタル簡易無線機であれば、屋外イベント・工場・商業施設・警備現場など、幅広いシーンで利用しやすい通信性能を備えています。
ただし、地下・高層階・大型施設・山間部・遮蔽物の多い現場では、事前の電波テストをおすすめします。
デジタル無線機の免許局と登録局の違い
デジタル無線機には、主に「免許局」と「登録局」があります。
免許局は、法人などの団体が業務に利用することを目的とした無線機です。免許された団体に所属する人が使用することを前提としており、他社や個人が自由に使用することはできません。
登録局は、法人・団体・個人でも利用しやすい種別です。レンタル機との互換性を持たせやすく、繁忙期やイベント時に台数を追加しやすい点がメリットです。
購入・リース・レンタルのどれが合っているかは、使用頻度・使用場所・台数変動・管理体制によって変わります。
こんな時どうするの?
倉庫や防災備蓄品として古い無線機を保管している
普段は使用していなくても、倉庫や防災備蓄品として古いアナログ簡易無線機を保管している場合は注意が必要です。
いざという時に使用しようとしても、対象機種であれば2024年12月1日以降は使用できません。防災備蓄品として保管している場合こそ、事前に型番・免許情報・使用可能な周波数を確認しておくことをおすすめします。
デュアル方式の無線機を持っている
アナログ方式とデジタル方式の両方が使用できるデュアル方式の無線機でも、アナログ波を発射できる状態のままでは対応が不十分な場合があります。
この場合は、メーカーや無線機ディーラーでアナログ波の停波処置を行い、必要に応じて総務省への変更申請を行う必要があります。
古い特定小電力トランシーバーを持っている
古い特定小電力トランシーバーについては、アナログ簡易無線機のデジタル化とは別に、「旧スプリアス規格」の確認が必要になる場合があります。
旧スプリアス規格の無線設備については、移行期限が「当分の間」に変更されています。ただし、移行期限が延長されているだけで、新スプリアス規格への移行自体が不要になったわけではありません。
古い無線機を使用している場合は、技適マーク・型番・製造時期・スプリアス規格への適合状況を確認し、必要に応じて買い替えや更新をご検討ください。
使用できない無線機を使うとどうなるの?
使用期限を過ぎた対象のアナログ簡易無線機を使用した場合、電波法違反となる可能性があります。
無線局の免許が必要な機器を、免許を受けずに開設・運用した場合などは、1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象となる場合があります。また、公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の拘禁刑又は250万円以下の罰金の対象となる可能性があります。
「知らなかった」では済まない場合がありますので、古い無線機をお持ちの場合は、早めの確認をおすすめします。
ネクストギアーズのおすすめするデジタル無線機
ここでは、アナログ無線機からの入れ替え候補として検討しやすいデジタル無線機をご紹介します。
▶KENWOOD社のTCP-D561 / TCP-D561BT
TCP-D561 / TCP-D561BTは、デジタル簡易無線機の登録局に該当します。ネクストギアーズでは、レンタル無線機の主力機種としてもラインアップされています。
一般的なイベント・施設・警備・店舗運営などで使いやすく、本体もコンパクトなため、現場での使用感に優れています。
レンタル価格
(税抜)
2,400円~
(宅配/お手渡しの場合)
1,800円〜
(ご来社の場合)
2021年9月にTCP-D551の後継機としてリリースされた簡易業務用無線機(登録局)です。小型・軽量な点は踏襲しつつ、機能面のカスタマイズ性が向上しています。(TCP-D561BTはBluetooth対応)
▶ICOM社のIC-D70 / IC-D70BT
IC-D70 / IC-D70BTは、デジタル簡易無線機の登録局に該当します。
施設内や広い敷地内での通信、日常的な業務連絡に適した機種です。ネクストギアーズでもレンタル無線機として取り扱いがあります。
レンタル価格
(税抜)
2,400円~
(宅配/お手渡しの場合)
1,800円〜
(ご来社の場合)
2018年にリリースされたGPSレシーバーを搭載した5Wのデジタル簡易業務用無線機です。
Bluetoothを搭載したIC-D70BTもラインアップしています。
▶KENWOOD社のTCP-D251C
TCP-D251Cは、デジタル簡易無線機の免許局に該当します。
自社運営のイベントや、決まったメンバー・決まった拠点での業務利用が多い企業や施設に適しています。
※免許局の場合、登録局のようにレンタル機を簡単に追加して混在運用することはできませんのでご注意ください。
レンタル価格
(税抜)
コンパクトさと使い易さに定評のあるUHFデジタル簡易無線機(免許局)です。
デジタル簡易無線機の新規導入やリプレイスに最適な1台です。
▶ICOM社のIC-DPR4C
IC-DPR4Cは、デジタル簡易無線機の登録局に該当します。
送信出力は2Wで、5W機と比べると通信距離は短くなりますが、その分、店舗運営や小規模〜中規模施設で使いやすい機種です。必要に応じて、ネクストギアーズのレンタル無線機を追加しやすい点もメリットです。
IC-DPR4
IC-DPR4 PLUS
IC-DPR4C
IC-DPR4C PLUS
通信距離 / ~3km
レンタル価格
(税抜)
2020年にリリースされたicom初の2W機です。
登録局タイプの簡易業務用無線機としてどなたでも手軽にご利用いただけます。
(IC-DPR4 PLUS/IC-DPR4C PLUSは2023年リリースの新波対応機種)
▶業種やシーンごとの最適な無線機は
こちらからご覧ください
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まとめ
アナログ簡易無線機の使用期限は、2024年11月30日で終了しています。2024年12月1日以降、対象となるアナログ簡易無線機は原則として使用できません。
現在も古い無線機を保管している場合や、デュアル方式の無線機をお持ちの場合は、以下の点を確認してください。
- 現在使用している無線機が対象機種かどうか
- 免許情報や無線局事項書にアナログ波が残っていないか
- デュアル方式の場合、アナログ波の停波処置が済んでいるか
- デジタル無線機・IP無線機・レンタル運用のどれが自社に合っているか
文章を読んだだけでは、自社の無線機が対象かどうか判断しにくい場合もあるかと思います。
「持っている無線機が今回の規制に該当するのかわからない」
「デジタル無線機に入れ替えたいが、購入・リース・レンタルのどれが良いかわからない」
「免許情報や台数管理も含めて整理したい」
このような場合は、わたしたちネクストギアーズが、現在の使用状況を確認した上で、最適な運用方法をご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。
出典・参考情報
▶デジタル化についてもう少し詳しくという方はこちらのコラムもご覧ください!
▶無線機のご購入とレンタルサービスの利用で迷った際はこちらのコラムもご覧ください!
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