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無線機の免許制度を簡単解説!
無線機の免許って??
なぜ無線機は免許制なのか?
無線機だけでは無く、携帯電話やテレビ、ラジオなど、あらゆる情報伝達には「電波」が利用されています。
電波は総務省により管理されており、利用者が快適に利用できるように、利用目的ごとに電波(周波数)を割り当てて管理しています。
割り当てが出来る電波(周波数)には限りがある為、電波が色々な製品とバッティングしたり、枯渇しないように電波(周波数)を利用するには、総務大臣の許可が必要となっています。また、免許とは総務大臣の許可証をさしています。
免許を取らないと無線機は使えないの?
免許が無くても使える無線機は2パターンあります。
出力する電波が弱い無線機
・特定小電力トランシーバー
・IP無線機
こちらの2機種は、電波を使用する周囲の機器に影響が少ない無線機なので免許が不要です。
登録状を取得した無線機
無線機には、「登録局」という種別の無線機があり、こちらの機種は総務大臣の免許では無く、登録状を発行してもらう事で利用することが可能な機種です。
この登録局の無線機は、免許局と同等性能の無線機になります。
免許局や登録局と電波の弱い無線機の違い
免許局や登録局、特定小電力トランシーバーやIP無線機の免許制度や適した利用シーンを表にしてみました。
デジタル無線局(免許局) | デジタル無線局(登録局) | 特定小電力トランシーバー | IP無線機 | |
免許 | 無線機1台ごとに免許が必要 | 免許不要(登録は必要)
免許局と比べて簡単な「登録手続き」にて利用可能 |
免許不要 | 免許不要 |
利用シーン |
・主に企業などにおける業務用通信 |
・企業などにおける業務通信 |
・企業などにおける業務通信 |
・企業などにおける業務通信 |
レンタル可否 | 不可 | 可 | 可 | 可 |
チャンネル数 | ・19チャンネル(150MHz帯) ・65チャンネル(460MHz帯) |
・30チャンネル(351MHz帯) | ・20チャンネル(400MHz帯) ・27チャンネル(中継器利用チャンネル:400MHz帯) |
・チャンネルの代わりにグルーピングで管理(800MHz帯) |
使用可能場所 | ・陸上(150MHz帯) ・陸上・日本周辺海域(460MHz帯) |
・陸上・日本周辺海域 | ・陸上・日本周辺海域 | ・陸上・日本周辺海域 |
キャリアセンス※ | なし | あり | なし | なし |
メリット | ・チャンネル数が多い為、混信が発生しにくい ・キャリアセンスがない |
・利用開始時の手続きが免許局より簡単 ・登録名義人以外の利用が可能 ・個人での保有も可能 ・他名義登録の無線機との通信が可能 ・レンタルが可能 |
・利用開始時の手続き不要 ・登録名義人以外の利用が可能 ・個人での保有も可能 ・レンタルが可能 |
・利用開始時の手続き不要 ・登録名義人以外の利用が可能 ・個人での保有も可能 ・他名義登録の無線機との通信が可能 ・レンタルが可能 ・携帯電話通信網内の広域通信 |
デメリット | ・免許申請、免許管理が煩雑になりやすい ・他名義の回線との通信は、総務省への届け出が必要 ・個人での保有はできない ・レンタルが不可 |
・チャンネル数が少ない為、混信が発生しやすい ・キャリアセンスがある |
・チャンネル数が少ない為、混信が発生しやすい ・通信距離が短い(100m~200m) |
・毎月データ通信費が数千円/台発生する ・通信キャリア回線網を使用するため、通話にタイムラグが発生する |
※キャリアセンスに関しては、こちらをご確認下さい。
免許局の無線機と登録局の無線機の見分け方
免許局と登録局の無線機を見分ける方法は詳しい方でない場合少し難しいです。
無線機に詳しく無いと見た目(型式)だけでは判断がつきません。
確認の仕方は、無線機のバッテリーを外した所に、型式・製造番号などが記載されているので、そこを確認します。
免許局の場合は「種別コード:3B」、登録局の場合は「種別コード:3R」と記載があります。
それでも分からなければ、記載してある型式をネットで調べると、要免許や免許不要の確認を取ることが出来ます。
違反をするとどうなるの?
免許局無線機を免許を取らずに電波を発射されたり、登録局の無線機を登録状を取らずに電波を発射した場合、不法無線局の開設と呼ばれる「電波法第110条第1項第1号」の違反となります。
罰則は非常に重く、最大、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金対象。
公共性の高い無線局に妨害を与えた場合は、5年以下の懲役又は250万円以下の罰金の対象となります。
免許申請・登録申請の流れ
免許申請
免許申請から免許状交付までは約1か月ほどかかります。
無線機の運用開始日から逆算してゆとりを持って申請を行いましょう。
登録申請
登録局の場合は、2~3週間で登録状が交付され、無線機の使用が可能となります。
ただし、無線機の利用開始後、速やかに使用する無線機の開設申請を行う必要がありますので、忘れずに申請を行いましょう。
申請に必要な書類と手数料
申請に必要な書類と手数料は以下のとおりです。
免許局
必要書類 | 手数料(収入印紙) | その他 |
(1)免許申請書 | 1局(1台)あたり 1W以下:3,550円 1Wを超え5W以下:4,250円 |
・免許までの期間は約1ヶ月です。 ・申請手数料は無線機の出力(W)により違いますので、 確認の上左記手数料を貼付ください。 |
(2)無線局事項書及び工事設計書 | ||
(3)添付書類(※1) | ||
(4)返信用封筒(※2) |
(※1)申請者が任意団体の場合、団体の規約及び代表者を確認できる書類(名簿など)を添付してください。
(※2)A4サイズが入る封筒に宛先を記入の上、切手を添付したものを併せてご提出ください。(直接受け取り希望の場合は不要)
登録局
必要書類 | 手数料(収入印紙) | その他 |
(1)登録申請書 | 2,900円分の収入印紙 | ・登録状の発行までは2~3週間かかります。 |
(2)添付書類(※1) | ||
(3)返信用封筒(※2) | ||
(4)開設届 |
(※1)申請者が任意団体の場合、団体の規約及び代表者を確認できる書類(名簿など)を添付してください。
(※2)A4サイズが入る封筒に宛先を記入の上、切手を添付したものを併せてご提出ください。(直接受け取り希望の場合は不要)
申請手数料(印紙代)
無線局の種別 | 申請内容 | 出力 | 電子申請 | 紙申請 |
免許局 | 新設 | 1W以下 | 2,550円 | 3,550円 |
1W超5W以下 | 3,050円 | 4,250円 | ||
再免許 | 1W以下 | 1,500円 | 1,950円 | |
1W超5W以下 | 2,400円 | 3,350円 | ||
登録局 | 新規登録 | ー | 2,150円 | 2,900円 |
再登録 | ー | 1,400円 | 1,850円 |
年間電波利用料
電波利用料とは、電波の適正な利用を確保するため、電波法に基づき、国が無線局の免許人・登録人から徴収する料金です。
年に1度、総務省より「納入告知書」という振込用紙が送られてきますので、忘れずに支払いをしましょう。
電波利用料金は、免許局・登録局ともに 1局(1台)あたり400円です。
※令和元年10月1日改定(総務省HPはこちら)
免許状・登録状の有効期限
免許局:5年(1台ごとに免許が発行)
1台ごとに免許が発行されますので、忘れずに更新・廃局の手続きを行いましょう。
登録局:5年(1名義ごとに登録状が発行)
登録状は、法人に対して発行されますので、手続きは5年間で1回となります。
無線機利用時に注意したい事
社内にある古い無線機使うのは大丈夫だよね?
免許状もしくは登録状の有効期限が切れていないか確認してください。
知り合いから借りてきた無線機を使うのは大丈夫だよね?
免許局の無線機はレンタル含め、名義人以外が使用すると、法律違反になります。
登録局の無線機の場合は、借りてきた無線機を使用することは問題ありません。
※有償、無償問わず、登録局の無線機をレンタルした場合、登録人は運用開始後遅滞なく「運用させた登録局の登録番号」「登録人以外の者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名」「登録人以外の者による運用の期間」「無線設備の製造番号」を総務省へ届け出る必要があります。
会社にある免許局無線機を催事で使うのは大丈夫だよね?
免許を保持している法人の従業員が利用する事は問題ありません。
従業員以外が利用すると電波法違反になります。
レンタル会社から借りるのは大丈夫だよね?
無線機に精通していないレンタル会社が制度を知らずに免許局の無線機を貸し出している事がありますので、
本当に大丈夫かを確認してからレンタルをするようにしましょう。
よく相談を受ける内容
〇免許局の無線機を利用しているが、買い足しをして徐々に台数が増えている上、管理担当者が変わってしまって、免許更新時期のが把握が出来ない。
〇アナログ無線機が廃止になると聞き、デジタル無線機への入れ替えを勧められているが、何が最適か分からない。本当にこのまま入れ替えを進めて良いのか不安。
〇複数の店舗で無線機を使っているが管理しきれなくなってきてしまった。
〇免許の更新時期の管理や、どこにどの無線機があるかなどをもっと簡単に管理する方法は無いか?
〇免許申請の代行をお願いしたいが、どこに言えばいいかわからない。
どんな状況になっていても、ネクストギアーズにご相談いただければしっかりとサポートします。
まずは、お気軽にご相談ください。ネクストギアーズ株式会社(https://www.next-gears.net/)