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トランシーバー(インカム・無線機)の電波の仕組みとおすすめ機種7選

トランシーバー(インカム・無線機)と電波の関係性

電波とは?

トランシーバー・インカム・無線機は、音声を離れた相手に届けるために「電波」を利用しています。

電波とは、電磁波の一種です。身近なところでは、スマートフォン、テレビ、ラジオ、Wi-Fi、カーナビなど、さまざまな機器に使われています。私たちが普段何気なく使っている通信機器の多くは、電波によって情報を送ったり受け取ったりしています。

電波は「周波数」によって分類されます。周波数とは、1秒間に波が何回振動するかを表す数値で、単位はHz(ヘルツ)です。1秒間に3回振動する電波は3Hz、10回振動する電波は10Hzと表します。一般的に、振動する回数が多いほど「周波数が高い」と表現します。

周波数が変わると、電波の届き方や障害物への強さ、送れる情報量なども変わります。そのため、無線機の種類や用途によって、使用される周波数帯が異なります。

周波数の説明

トランシーバーと電波の関係

トランシーバーでは、音声の送受信に電波を利用しています。

多くの無線機では、使用する周波数が「チャンネル」として設定されています。簡単に言えば、同じチャンネルに設定された無線機同士で通信できる仕組みです。

イメージとしては、次のように考えると分かりやすいです。

  • 電波:音声を届けるための通信手段
  • 周波数:電波の種類を表すもの
  • チャンネル:使用する周波数を分かりやすく番号化したもの

つまり、無線機同士で通信するには、基本的に同じチャンネルに合わせる必要があります。

ただし、無線機の種別や設定によっては、チャンネルを合わせただけでは通信できない場合もあります。混信を防ぐために、ユーザーコードや秘話設定などを使用するケースがあるためです。

トランシーバーで使われる主な周波数帯

無線機を含む通信機器は、用途や業務内容に応じて使用できる周波数帯が定められています。日本では、電波の利用や周波数の割り当ては総務省が管轄しています。

業務用途で使われる無線機は、大きく分けるとVHF帯UHF帯に分類されます。それぞれ電波の飛び方に特徴があります。

VHF帯

VHF帯は、障害物が少ない屋外での利用に向いている周波数帯です。

UHF帯と比較すると、電波が障害物の裏側へ回り込みやすい性質があります。そのため、山間部、防災無線、消防無線、船舶関連など、広い屋外エリアでの通信に使われることがあります。

UHF帯

UHF帯は、現在の業務用無線機で広く利用されている周波数帯です。

VHF帯と比較すると直進性が高く、建物内や市街地、イベント会場、商業施設、警備現場など、屋内外を問わず幅広いシーンで利用されています。また、利用できるチャンネル数が多く、混信対策をしやすい点も特徴です。

UHFとVHFの電波の飛び方

一般的なレンタル用途では、UHF帯を使用する特定小電力トランシーバーやデジタル簡易無線機が多く利用されています。用途・距離・利用環境によって最適な機種は変わるため、導入前に使用場所や必要な通信範囲を確認することが重要です。

デジタル無線局
(免許局)
デジタル無線局
(登録局)
特定小電力トランシーバーIP無線機
免許必要
※1台毎
不要不要不要
登録不要必要
※1団体毎
不要不要
利用シーン・企業や団体における業務用通信・企業などにおける業務通信
・イベントなど多数の人が関わる業務の通信に利用
(免許人以外も利用可能)
・個人でのレジャー通信
レンタル可否不可
チャンネル数・19チャンネル
(150MHz帯)

・75チャンネル
(460MHz帯)

・20チャンネル
(中継用)
・82チャンネル
(351MHz帯)

・15チャンネル
(上空用)
・20チャンネル
(400MHz帯)
・27チャンネル
(中継器利用チャンネル:400MHz帯)
・グルーピングで管理
(800MHz帯)
使用可能場所・日本国内の陸上
・日本周辺海域
キャリアセンス※なしありなしなし
メリット・チャンネル数が多く、混信しにくい
・キャリアセンスがない
・利用開始時の手続きが免許局より簡単
・登録名義人以外の利用が可能
・個人での利用も可能
・他名義登録の無線機との通信が可能
・レンタルが可能
・利用開始時の手続き不要
・個人での利用も可能
・レンタルが可能
・個人での利用も可能
・レンタルが可能
・携帯電話通信網内の広域通信
デメリット・免許申請、免許管理が煩雑になりやすい
・他名義の無線機と通信するには、手続きが必要
・個人での保有はできない
・レンタル不可
・キャリアセンスがある・チャンネル数が少なく、混信が発生しやすい
・通信距離が短い
100m~200m)
・データ通信費が毎月数千円/台発生する
・通話にタイムラグが発生する

※周波数や無線機の種別が異なる機種同士は、原則として通信できません。購入やレンタルを検討する際は、既存機種との互換性にもご注意ください。

電波は自由に使っていいの?

トランシーバーには、国から認められた周波数帯や出力に応じて、複数の種別があります。では、それぞれの無線機は自由に電波を発射して使ってよいのでしょうか。

結論から言うと、電波は電波法で管理されているため、ルールを守って使用する必要があります。

電波は無限に使えるものではありません。警察、消防、救急、防災、航空、鉄道、携帯電話、放送など、社会インフラにも多くの電波が使われています。そのため、決められたルールを無視して電波を発射すると、他の通信に影響を与える可能性があります。

次のような使用は、電波法違反となる可能性があります。

  • 免許が必要な無線機を、免許を受けずに使用する
  • 登録が必要な無線機を、必要な登録や届出なしで使用する
  • 指定された周波数以外で電波を発射する
  • 技適マークのない海外製無線機を国内で使用する
  • 法律で認められた出力を超える無線機を使用する

不法無線局を開設・運用した場合、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となる可能性があります。また、公共性の高い無線通信に妨害を与えた場合は、5年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

ネットショップなどでは、日本国内の基準に適合していない海外製トランシーバーが販売されている場合があります。価格が安く見えても、技適マークがない無線機や、国内で認められていない出力の無線機を使用すると、電波法違反となる可能性がありますので注意が必要です。

※違法無線機について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

種別ごとのレンタル・販売トランシーバーおすすめ7選

ここからは、利用シーンに応じたおすすめのトランシーバー・インカム・無線機をご紹介します。

トランシーバーは、種別ごとに使用する周波数帯や出力が異なり、それによって通信距離の目安も変わります。ここでは、通信距離や利用用途に応じて、次の3タイプに分けて解説します。

  • 短距離タイプ:店舗・小規模施設向け
  • 長距離タイプ:イベント・警備・大型施設向け
  • 広域タイプ:携帯電話回線を利用したIP無線機

短距離タイプ|店舗・小規模施設におすすめ

短距離タイプとしておすすめなのは、特定小電力トランシーバーです。

特定小電力トランシーバーは、免許や資格が不要で使用できる手軽な無線機です。通信距離の目安は、屋内や市街地ではおおよそ100m〜200m程度です。ただし、建物の構造や壁の材質、階数、周囲の電波環境によって通信距離は変わります。

主な利用シーンは、飲食店、カフェ、携帯電話ショップ、小売店舗、クリニック、倉庫内作業、イベント受付などです。ワンフロアや比較的狭い範囲でスタッフ同士が連絡を取り合う用途に向いています。

特定小電力トランシーバーは、小型・軽量の機種が多く、長時間装着しても負担が少ない点がメリットです。また、乾電池で長時間使用できる機種も多く、電池交換によってスムーズに運用しやすい点も特徴です。

一方で、出力が小さいため、広い会場や複数階での利用、屋外の広範囲通信には向いていません。通信範囲が広い場合や、確実な連絡手段が必要な現場では、長距離タイプやIP無線機の利用をおすすめします。

長距離タイプ|イベント・警備・大型施設におすすめ

長距離タイプとしておすすめなのは、5W出力のデジタル簡易無線機です。

デジタル簡易無線機は、特定小電力トランシーバーよりも出力が高く、広い会場や屋外イベント、大型施設、警備現場などで多く利用されています。

通信距離の目安は、遮蔽物が少なく見通しの良い屋外であれば数km程度、市街地や建物が多い場所では1km〜2km程度が目安です。ただし、実際の通信距離は、建物の構造、地形、高低差、周囲の電波環境、アンテナの位置などによって大きく変わります。

主な利用シーンは、展示会、学会、オープンキャンパス、商業施設、工場、建設現場、交通誘導、イベント警備、地域のお祭り、花火大会などです。

東京ビッグサイト、幕張メッセ、インテックス大阪、ポートメッセなごやなどの大型会場では、スタッフ間の連絡手段としてデジタル簡易無線機が多く利用されています。会場の広さやフロア構成によっては、事前の通信テストを行うことで、より安心して本番運用ができます。

なお、デジタル簡易無線機には登録局や免許局などの種別があります。レンタルの場合は、利用者側で免許や資格が不要な機種を選べるケースが多いため、初めて利用する場合はレンタル会社に確認することをおすすめします。

広域タイプ|全国規模・複数拠点での通信におすすめ

IP700 PLUS

通信距離 / 近距離〜全国対応

レンタル価格 (税抜)

6,000円~ (宅配/お手渡しの場合)

5,500円~ (ご来社の場合)

IP700は IP無線とデジタル簡易無線機が一つになったIPトランシーバーです。
携帯電話の通話エリアで通信ができるLTEモード、簡易無線機同士で通信ができるDCRモード、IP無線とデジタル簡易無線の送受信を行うDUALモードが選べます。

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広域タイプとしておすすめなのは、携帯電話回線を利用するIP無線機です。

IP無線機は、docomo・au・SoftBankなどの携帯電話回線を利用して通信する無線機です。一般的なトランシーバーのように端末同士で直接電波を飛ばすのではなく、携帯電話基地局を経由して音声を送受信します。

そのため、携帯電話の通信エリア内であれば、離れた場所同士でも通信できます。全国規模のイベント、複数拠点の管理、車両との連絡、広い敷地での運用などに向いています。

主な利用シーンは、運送会社、警備会社、イベント運営本部、マラソン大会、広域施設管理、複数会場をまたぐイベント、自治体関連業務などです。

IP無線機は、通常の無線機のように一斉連絡ができるだけでなく、機種や契約内容によっては個別通話やグループ通話にも対応できます。広範囲のスタッフとスピーディーに連絡を取りたい場合に便利です。

一方で、携帯電話回線を利用するため、携帯電波が届かない山間部、地下、トンネル内部、電波が混雑する場所では通信が不安定になる場合があります。屋外イベントや大規模会場で使用する場合は、事前に通信環境を確認しておくと安心です。

出力が大きければ遠くまで届く?トランシーバー選びの注意点

トランシーバーの通信距離は、送信出力の大きさに影響されます。一般的には、出力が大きい機種ほど遠くまで通信しやすくなります。

しかし、出力だけで通信距離が決まるわけではありません。実際の通信距離には、使用する環境が大きく影響します。

市街地や屋内で使用する場合

市街地や屋内では、ビル、壁、柱、金属、ガラス、什器、人の密集などが電波に影響します。

電波は、障害物に当たると反射したり、吸収されたり、回り込んだりします。特に金属や鉄筋コンクリートは電波を通しにくく、木材、ガラス、プラスチックなどは比較的電波を通しやすい傾向があります。

電波の反射と透過イメージ

特定小電力トランシーバーやデジタル簡易無線機は、基本的に端末同士で直接通信します。そのため、建物の構造や遮蔽物の影響を受けやすく、同じ距離でも場所によって通信状況が大きく変わることがあります。

たとえば、同じ施設内でも、ワンフロアでは問題なく通信できる一方で、地下やバックヤード、別棟、エレベーター付近では通信しづらくなることがあります。

本番前に時間がある場合は、実際の使用場所で通信テストを行うことをおすすめします。事前にテストすることで、特定小電力トランシーバーで足りるのか、デジタル簡易無線機が必要なのか、IP無線機を選ぶべきなのかを判断しやすくなります。

山間部や屋外の広範囲で使用する場合

山間部や屋外の広範囲で使用する場合は、利用場所によって最適な機種が変わります。

携帯電話の電波が安定している場所であれば、IP無線機が便利です。広範囲でも通信しやすく、複数拠点や車両との連絡にも向いています。

一方で、携帯電話の電波が届きにくい山間部や谷間、トンネル周辺などでは、IP無線機が使えない場合があります。そのような場所では、端末同士で直接通信するデジタル簡易無線機の方が適しているケースがあります。

ただし、デジタル簡易無線機も地形や高低差の影響を受けます。山の反対側や谷を挟んだ場所など、見通しが悪い環境では通信距離が短くなることがあります。

さらに広範囲で安定した通信を行いたい場合は、基地局や中継機の設置、IP無線機との併用など、運用設計を含めて検討することが重要です。

トランシーバー選びで失敗しないためのポイント

トランシーバーを選ぶ際は、機種名や価格だけで判断するのではなく、次のポイントを確認することが大切です。

  • 使用場所は屋内か屋外か
  • 通信したい距離はどのくらいか
  • 使用する人数・台数は何台か
  • 複数フロアや別棟で使用するか
  • 携帯電話の電波が安定している場所か
  • 既存の無線機と通信させる必要があるか
  • イヤホンマイクや充電器などの付属品が必要か
  • 本番前に通信テストができるか

特に、イベント・警備・施設運営などの業務用途では、当日に通信できないトラブルが起きると現場運営に大きな影響が出ます。通信範囲に不安がある場合は、事前にレンタル会社へ相談し、使用環境に合った機種を選ぶことをおすすめします。

まとめ

トランシーバー・インカム・無線機は、使用する電波の種類や出力、利用環境によって通信距離が大きく変わります。

短距離の店舗利用であれば特定小電力トランシーバー、イベントや警備など広い範囲で使用する場合はデジタル簡易無線機、全国規模や複数拠点での連絡にはIP無線機が向いています。

ただし、同じ機種でも、建物の構造、地形、遮蔽物、携帯電話回線の状況によって通信状況は変わります。そのため、機種選定では「出力」だけでなく、「どこで、誰が、どの範囲で使うのか」を確認することが重要です。

ネクストギアーズでは、トランシーバー・インカム・無線機のレンタルと販売の両方に対応しています。お客様の利用シーンに合わせて、購入とレンタルのどちらが適しているかも含めてご提案いたします。

無料デモ機も多数ご用意しておりますので、実際の使用環境で通信テストを行ったうえで機種を選ぶことも可能です。イベント、警備、施設運営、店舗運営、工場、学校行事などで無線機をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。


▶長距離に対応した無線機について詳しく知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。

▶短距離タイプの無線機について詳しく知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。

▶購入とレンタルの比較について詳しく知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。

▶用途ごとのおすすめ無線機を知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。

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